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「違和感のイタリア~人文学的観察記」 八木 宏美 

iwakan


イタリアに渡って30年。
著者が見たイタリア。
まさに人文学的観察です。
著者の情報量と知識の素晴らしさに圧倒されました。

読み始めてすぐ、興味深い話にワクワクしました。
まず、イソップ物語の日本の解釈とイタリアの解釈の違い。

そして教育の話。
面白かったのは中学校での勉強の内容。
イタリアでは、例えば国語で「アンネの日記」を勉強すると、
地理でアンネの住んでいた国、歴史では第二次世界大戦を勉強する。
数学ではイタリアからアンネの住んでいた町まで、
当時の鉄道の時速で計算して時間を求める問題。
というように、一つのテーマを関連づけて、物事を立体的に学んでいく。
また作文も、感想文や要約ではなく、
アトランダムに与えられた言葉から一つのお話を作っていく想像力を養うもの。
一貫したこの教育法は大人になって大きな力になる。
それを物語るエピソードも面白かった。

そして、勉強をしない自由もしっかり市民権を得ているところも面白い。
それがいいか悪いかは別として。
イタリアの識字率はつい最近までヨーロッパではかなり低位置にあったそうだから。

しかし勉強の道を選んだ人は徹底的に勉強する。
日本とイタリアの学生の平均点が50点とすると、
日本が35点、50点、65点の平均点50点に対して、
イタリアの平均点は0点、50点、100点の平均点だということだ。

この辺まではかなり身近なテーマでしたが、中盤からは、
イタリアを代表するトリノのフィアットの成り立ちから経済の話し、
カトリックとイタリア民主主義、ムッソリーニの政治、
そしてマフィアとかなり社会的なテーマになっていきました。

正直、中盤から一機に読むペースが遅くなりました。
同じところを何度も読み直したり。。。
それでも、フィアット創設の初代から、
イタリアの首相より崇められた3代目のエピソードは興味深かったです。
彼の会社運営の考え方は、現在の政治家にも通じるものがあるのではないでしょうか。

 トップに立つものには民主主義は通らない場合がある。
 組合の意見を平等に取り入れることばかりに囚われると、
 会社運営は行き詰る。
 決定権は自分にあり、自分が判断する。
 しかし、それは同時に責任もともなうこと。
 トップからこの権利を奪うことは、リスクをとることかもしれないが、
 人生の醍醐味を奪うことだ。

鳩山さんに聞かせたいと思った。。


イタリア統一は1861年。
それまでそれぞれの都市が一つの国家として機能し、
そこで暮らす人々はそれぞれのコミュニティで生活を営んでいた。
その気質は今なお残っていて、イタリア人がイタリアという国を意識することはなく、
わが町への愛着は相当なもの。
イタリア人が国を意識して一丸となるのは、
サッカーのワールドカップくらいだというのは笑えるけど本当らしい。

第2次世界大戦では日本とイタリアとドイツは同盟国でしたが、
イタリアの戦争は1943年に連合軍に降伏したあとのドイツとの戦いの方が
凄まじかったことも今回知りました。
「セントアンナの奇跡」や「コレリ大尉のマンドリン」の映画もそういうことかと理解を深めました。

どちらにしてもとても内容が濃く、読み応えのある1冊です。
後半ちょっと私はきつかったけど、イタリアをもっと知りたくなる本。
イタリアに興味ある方にはオススメです。

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