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潜水服は蝶の夢を見る 

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人間ってなんてすごいんだ~って思いました!!
脳梗塞で全身麻痺した人間が、たった一箇所動く左まぶたのまばたきだけで言葉を伝え、
本を出版したという実話です。
得てしてこういうタイプの映画は、感傷的に描かれたり、涙の感動作に作られることが多い。
でも、この映画は違いました。
主人公のナレーションにより語られ、彼の左目の目線で描かれるという手法により、
ありのままに彼の心に沿って見入ってしまう。
静かに心にしみこんでくる素晴らしい映画でした。

一時は『死んでしまいたい』と思う主人公。
しかし、瞬きによる言葉の伝達方法を教えられ、
『もう自分を哀れむのは辞めよう』と心に決める。
左目のほかに自分には”想像力と記憶”という自由があるではないか!
彼の強さ、人間性を失わずにいようとする姿に圧倒されました。
体は潜水服に閉じ込められても心は蝶のように自由に羽ばたく。

彼の言葉を汲み取る言語療法士の献身的な働きにも、言葉でいえないほどの感動を覚えます。
彼のまぶたを見ながら、使用頻度順に並べ替えられたアルファベットを何万回も言う。
彼が瞬きをしたアルファベットを一字一字書き取り、言葉をつなげ文章を書く。
気の遠くなるような作業。
ああ、人は人によって生かされてるんだと強烈に感じました。
そんなスタッフに感謝の気持ちを伝える「メルシー」の言葉さえ何分間も要する。
人間にとって、言葉と時間、そして相手を思いやる気持ちが、とてつもなく大きくて大切なものに思えるシーンでした。

彼の想像や記憶の世界で描かれる映像が美しい。
いかに彼が心豊かな人であるか知ることができます。
年老いた父親との思い出、家族とのエピソードなどは宝物のよう。
現実の世界とその心の世界の映像の切り替えに違和感がない。
芸術的ともいえる映像は、アーティストである監督によるものであることが大きいようだ。

主人公を演じるマチュー・アマルリックが素晴らしかった★
なぜ、アカデミー主演男優賞にノミネートされなかたんだろう。
全身麻痺した彼と、病気になる前のバリバリ仕事をこなし多くの女性とも派手な付き合いがあった彼。
どちらも人間味に溢れて魅力的な男だ。
マチュー・アマルリックは、目にキラッと光があって芸術家を思わせる雰囲気のある人。
とくに、言葉が通じない状態になってからの彼によるナレーションがいい。
自分を常に客観的に見ていて、ユーモアのセンスに溢れている。

いい映画だったな~と、あとからもしみじみと思い出されます。




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